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「過労自殺、上司のパワハラ認定」の訳 - 岩城穣・弁護士に聞く◆Vol.1

インタビュー 2014年6月19日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

鳥取地裁は5月26日、公立八鹿病院(兵庫県養父市)に勤務していた整形外科医が2007年12月に過労自殺した事案で、病院を運営する公立八鹿病院組合と上司の医師2人の連帯責任で、両親に約8000万円を支払うよう命じた。連帯責任としたのは、月170時間にも及ぶ時間外労働に加えて、上司医師のパワーハラスメントを認定したため。過労自殺で医師個人の責任を問われた点で、注目される判決だ。 原告の代理人で、過労死弁護団全国連絡会議事務局の事務局次長を務める岩城穣氏に、本裁判のポイントを、これまでの過労死裁判の変遷も含めてお聞きした(2014年6月5日にインタビュー。計3回の連載。本事案は、原告は6月9日付、被告は6月4日付でともに控訴)。 ――本判決について、まず全体的評価をお聞かせください。 今回の判決で画期的なのは、病院の管理責任だけではなく、上司医師の個人責任が認められた点です。裁判では、病院を運営する公立八鹿病院組合だけでなく、暴言・暴力などのパワーハラスメントをした上司、それを黙認していた上司という2人の医師も訴えていました。そのほか、過労死認定の判断、賠償金の過失相殺・減額訴因についても注...