日本に創薬投資を呼び込めなくなりつつある
レポート
2021年5月12日 (水)
大西裕康(m3.com編集部)
特許期間中も薬価が下がる可能性のある日本は、創薬に関する十分な投資を呼び込める環境ではないーー。5月12日、中医協の薬価専門部会(部会長:中村洋・慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)が実施した意見聴取で、国内外の製薬業界関係団体を代表する出席者らが述べた内容を総括すると、こうなるだろう。社会保障関連費の伸びを抑制する目的で過去6年間に削減された薬剤関連費が、累計で6288億円に及ぶとのデータを示し、薬価引き下げ分を診療報酬改定の財源として活用するのは限界と訴えた上、薬価制度の内容が頻繁に変わってきたために企業にとって予見性や透明性に乏しく、日本における研究開発計画を遅らせている企業が増えていることも明かした。2年に1度の診療報酬改定がない年(中間年)である2021年度に実施した薬価改定(中間年改定)については、「『国民負担の軽減』と『医療の質の向上』を両立する観点から著しくバランスを欠く決定」(日本製薬団体連合会会長・手代木功氏)と厳しく批判した(資料は、厚生労働省ホームページ)。
(2021年5月12日の薬価専門部会資料より *クリックで拡大)
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