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「入院患者の拘束は違法」は当然の判決NPO全国抑制廃止研究会理事長(医療法人充会理事長)吉岡充氏に聞く

インタビュー 2008年10月1日 (水)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

9月5日、「入院患者の身体拘束は違法」として、患者側が病院に損害賠償請求した民事裁判で、名古屋高裁は一審判決を覆し、病院に70万円の支払いを命じた。証人を務めるなど患者側を支援したのが、NPO全国抑制廃止研究会理事長(医療法人充会〔東京都八王子市〕理事長)の吉岡充氏。吉岡氏は精神科医として早くから老人医療に取り組み、いち早く「抑制廃止」を打ち出した一人。本裁判にかかわった経緯や判決の意味などを聞いた(2008年9月24日にインタビュー)。 東京大学医学部卒業、1982年上川病院勤務。86年より身体拘束廃止を実施。「老人の専門医療を考える会」創設時に事務局長、その後、副会長。現日本慢性期医療協会事務局長・副会長、厚生労働省身体拘束ゼロ作戦推進会議委員なども務めた。現在、NPO全国抑制廃止研究会理事長。 ――先生はどのような経緯でこの裁判にかかわったのでしょうか。 最初は、一審を担当していた患者側(原告側)弁護士から連絡を受けました。2005年のことです。既に裁判は始まっていました。弁護士から身体拘束についていろいろと教えてほしいと言われて承諾しました。その際、事件の簡単な説明を聞き、「こ...