1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 重度認知症の末期がん患者、終末期の意思をどう確認すべきか

重度認知症の末期がん患者、終末期の意思をどう確認すべきか

オピニオン 2021年1月17日 (日)  竹口文博(東京医科大学腎臓内科学分野、弁護士)

【質問】 重度認知症の末期がん患者について、主治医としてDNAR(Do Not Attempt Resuscitation:蘇生に成功する見込みがそう多くない中で蘇生のための処置を試みないこと)が相当と考えたとき、誰にインフォームド・コンセント(IC)を取ればいいでしょうか? Q1:身寄りもなくキーパーソンもいない場合、どうしますか? A1:この場合、主治医が特定の個人にICをして同意をもらうということはありません。この患者にかかわる医療・ケアチームで、どんな治療をすること、またはしないことが本人にとっての最善の方針と言えるかを判断します。判断の結論としてDNARでチームが合意した場合には、特定の人が同意をするという形を取らずにDNARの方針とします。 【解説1】 かつて「終末期医療」と言われていた医療について、厚生労働省は、最期まで本人の人生を尊重し医療・ケアの提供について検討することが重要であるとして、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(以下、「プロセスガイドライン」といいます)を示しています(2007年策定、2018年改訂。厚労省のホームページ...