無症状者の検査「安心感」巡り議論、分科会
レポート
2020年10月29日 (木)
小川洋輔(m3.com編集部)
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(会長:尾身茂・地域医療機能推進機構理事長)は10月29日、第13回会合で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査等で陽性になる事前確率の低い無症状者への検査を巡って意見を交わした。検査で得られる「安心感」などについて、医療や公衆衛生を専門とする構成員と経済関係の構成員で意見が割れたが、最終的には無症状者への検査によって「感染制御に成功したエビデンスはない」との見解を取りまとめ、「検査の内容や留意事項を理解した上で受けることが重要」と呼びかけることで一致した。経済関係の構成員からの要望もあり、「受検者に『安心感』を与える」「その時点では陰性であるという検査結果を提示することにより、社会経済活動に資すると期待できる」と検査のメリットも明記した(資料は内閣官房のホームページ)。 記者会見する尾身会長 検査の在り方を巡り、分科会はこれまでに、国民を(1)有症状者、(2a)感染リスクおよび事前確率が高い無症状者、(2b)感染リスクおよび事前確率が低い無症状者――の3つのカテゴリーに分ける考え方を示してきた(『尾身会長、低リスク無症状者の...
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