外科医の人生設計、緑茶に苺ショートケーキでもいいじゃないか
オピニオン
2018年11月25日 (日)
太田壮美(シカゴ大学)
日米での外科医のトレーニング制度の違いはどうでしょうか?心臓外科のことしか知らないのでそれに限定して話をさせてもらいます。一般的に日本では心臓手術数自体が米国に比べて少なく、症例も大きな基幹病院に集まる中央集中型ではなく、症例がたくさんの病院に分散し中小規模の症例数を行う病院がたくさんある形態になっています。また米国のそれに比べ医師を助けるコメディカルの職種が少ないため、若手医師が本来の医療業務とかけ離れた事務作業やソーシャルワーカーの仕事をカバーしないと病院が回らないという状況が多く見られます。 そのような中、若手外科医のトレーニング、特に手術室における手術手技のトレーニングは指導する側、指導される側にとっても満足のいかないものになる傾向があります。また「見て学べ」「見て盗め」「皆まで言うな」の伝統工芸における師匠と弟子の関係のように、日本特有と言ってしまってもいいこの文化は手術手技の教育においても見られる傾向があり、手術をさせてもらうまで10年、20年と黙々と見て学び、日々その他の多忙な業務をこなすということもざらにあることでした。 上記の医療問題同様、末端部分だけでは解決不能な重...
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