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研修医1年目のドクターコール

オピニオン 2018年7月1日 (日)  古東麻悠(小児科医)

最初に記しておくと、これは機内でのドクターコールの対応をすべき、すべきでない、の議論をすることを目的としていません。現場に立ち会った当時研修医1年目だった私が、どんなことに迷い、困ったか。そしてその経験がどう影響しているかを書き残したいと思いました。 研修医1年目の終わり、シンガポールでの学会帰りの飛行機での出来事です。デルタ航空だったこともあり、成田行きの飛行ではありましたがほとんどが外国人。飛び交う会話もほとんど英語。そんな中で私の目の前の列には日本人親子が座っていて、仲良さそうに話している姿は印象に残っていました。 離陸して2時間、機内が騒がしくなり目を開けたところ、前列の日本人親子の様子がおかしいことに気づきました。ぐったりする少年と、呼びかける母。駆け付けたCA(キャビンアテンダント)に現状を伝えようとするも言語の壁に困惑する様子を見て、声をかけずにはいられませんでした。 話を聞くに、寝ていたところ急に体を反って震え、泡を噴き出したとのこと。初めてのことに焦りながらも冷静に話しているお母さんを見て、私も冷静になれたというのが正直なところです。救命バッグが運ばれてきてCAが自発...