医療費は2040年度まで増加、最大の要因は高齢者増【医療の現状】
スペシャル企画
2018年6月3日 (日)
大西裕康(m3.com編集部)
Q:政府は消費税率を2019年10月に10%へ引き上げ、医療や子育て、教育無償化などに要する「社会保障費」の財源に充てる計画ですが、高齢化に伴う社会保障費の負担増に直面する国家財政へ与える影響は? A:政府予算のうち、税収と国債などが歳入となる一般会計の歳出総額は、2018年度に97兆7128億円(図1参照)と6年連続で過去最高額を更新しました。最大の要因が高齢化に伴う「社会保障費」の増加です。一方、国債の発行による借金の収支を除いた基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)は赤字が続いており、政府は「財政健全化」の名の下、2020年度のPB黒字化を目指していました(社会保障費については「社会保障費33兆円、社会保障給付費114.9兆円【医療の現状】」などを参照)。 図1、財務省公表資料 2020年のPB黒字化、「消費税率10%」の使途変更で断念 PB黒字化に向けては、民主党政権下の2012年に与野党3党が「税と社会保障の一体改革」と銘打ち、社会保障財源と国の借金返済に使途を定めた消費税率の引き上げなどで合意。関連法案も成立しましたが、安倍晋三首相が2度に渡って延期したのに加え、20...
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