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「奈良県警内での医師死亡」契機に死因究明制度を議論

レポート 2017年2月26日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

医療法務研究協会理事長の小田原良治氏 一般社団法人医療法務研究協会の設立記念講演会が2月25日、「死因究明制度の推進を目指して―奈良県警内での医師死亡を契機に―」をテーマに、都内で開催された。 同研究会の理事長を務める小田原良治氏(鹿児島県の医療法人尚愛会理事長)は、講演会冒頭の挨拶で、「我々医療者と法律家では、価値基準、思考過程が全く違う。そのすり合わせ、医療と法律の調整が必要。これまでの医療者の対応は、法律の視点を知らないが故に、外部の意見を鵜呑みにし、迎合してきた」と問題提起。医療と法律のさまざまな接点について、相互理解を深めることが研究会の目的であると説明した。同協会(東京都港区)は今年1月31日に設立、医療者や弁護士など、今後、会員を募集していく。 講演会は、二つのテーマを軸に展開された。一つは、勾留中の男性医師が2010年2月に奈良県警内で死亡した事件。もう一つは、死因究明制度の動向だ。 前者については、奈良県警らの対応を問題視して刑事告発した、岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏が、「一般的な感覚から言えば、人権侵害ではないか」と指摘するとともに、司法解剖を担当した法医...