「腸閉塞のハンサムボーイ」で進路変更◆Vol.7
スペシャル企画
2016年1月10日 (日)
橋本佳子(m3.com編集長)
――立川米空軍病院でのインター時代、将来を決める、ある患者に出会う。 インターンをしたのは、1966年から1967年にかけて。まさにベトナム戦争の真っ最中。毎日、飛行機で、負傷した兵隊さんが運ばれてきた。でも、ベッドが足りないから、廊下に簡易ベッドを並べて、パッパッパとヒストリーを取って、トリアージをするのが、インターンの役割。重症な人は、ドクターを呼んできて、処置や手術をする。 外傷の患者さんが多かったけど、アルコール中毒とか、精神科の患者さんも多かった。暴力を振るわれる危険性があった精神科の患者さんもいた。絶対に1対1では診察せず、衛生兵に付いてもらうようにしていた。 ある時、運ばれてきたのが、「お腹が痛い、痛い」と言ってやってきた患者さん。もうお腹がパンパンに張っていた。レントゲンで腸閉塞を確定でき、すぐ手術になった。開腹したら、“バンド”ができていて、腸を縛ってたわけ。その“バンド”をはがしたら、腸がさーっと動き、閉塞が治っていった。その過程を見ていて、「うわあ、なんてきれい」と思った。 手術してから5、6時間後に見に行ったら、腹痛で身をよじらせていた兵隊さんが、すっかり元気に...
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