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「教授は終身雇用」では競争できず◆Vol.15

スペシャル企画 2015年10月26日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

――岸本氏は、政府の総合科学技術会議の議員を、2004年1月から2年半務めた。その経験も踏まえ、今の生命科学研究の日本の現状を、どう捉えているのか。 議員の任期は2年。常勤で、毎週火曜日の朝に定例会議があったから、月曜日の夕方に東京に行く。そして金曜日に大阪に戻ってくるという生活だった。「もう1期、2年やってほしい」と言われたけれど、東京に1人で住むのは初めてで、体の調子もおかしくなってきたので、2期目に入ったけれど、半年で、「もうこりごり。辞めさせてくれ」と言って、辞めた。 「日本における研究の推進には、ベンチャーを立ち上げる発想も必要」と岸本氏(写真:近藤宏樹) 議員の時代、主張したのは、競争原理を導入する必要性。大学は、教授、准教授、講師、助教と定員が決まっていて、いったん教員になったら、何もない限りは、63歳、あるいは65歳の定年になるまでそのまま続けられる。それはおかしい。 外国、例えばアメリカだったら、そうはいかない。研究費を自分で獲得し、給与もそれで賄う。日本も教員などの任期制、競争的研究資金などをもっと導入し、人件費も研究費で賄うような形を入れていくべきと提言した。その...