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「紹介状なし初診」、大病院の外来の3%に過ぎず

オピニオン 2015年5月5日 (火)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

紹介状なしの大病院受診に関し、実際に5,000円以上を徴収している大学病院で外来患者数の大きな変動に繋がっていない実例が過日、全国医学部長大学病院長会議の調査として報告された。この大病院受診の5,000~1万円の徴収「義務化」が国会審議中だが、目的とする外来機能の分化、勤務医の負担軽減のための外来患者数の削減は、この方策では成しえないことが実証された格好だ。われわれは、過度な患者負担により受療行動の変容を強要し、患者の受療権を奪う、選定療養(差額徴収)の義務化に反対する。 ◆5,000円以上の差額徴収でも、外来患者数は顕著な減少は見せず 全国医学部長病院長会議が実施した、紹介状なしでの大病院受診の選定療養の実態調査によると、選定療養での徴収額を一定期間内で5,000円以上に引き上げた実際例で外来患者数が「横ばい」と大きな変動がないことが報告された。具体的には東邦大医療センター大森病院は、紹介状なし患者の選定療養を14年4月に3,150円から3,240円に、14年7月には5,400円に段階的に引き上げた。3,240円とした3カ月間の平均外来患者数(1日)は2,330人、5,400円に変更...