小保方氏に60万返還請求、刑事告訴見送り
レポート
2015年3月21日 (土)
池田宏之(m3.com編集部)
STAP細胞の研究不正を巡る問題で、理化学研究所は3月20日、論文の筆頭著者であった元理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)のユニットリーダーの小保方晴子氏に対して、刑事告訴を見送ることを明らかにした。理事2人が会見を開いた。研究においては、Nature誌に掲載されたSTAP細胞の論文(撤回済み)の試料について、ES細胞であったことが明らかになり、故意の混入の可能性もあった中で、実際の混入者が特定できないまま、不正の調査が終わることとなった。 同時に理研は、小保方氏に対して、Nature誌など計4編の論文投稿料に当たる約60万円の返還請求をすることを明かした。返還請求は、理研で初めてのケースとなるという。関連特許については、理事会で持分を放棄することを決めて、共著者の1人であるチャールズ・バカンティ教授が所属していたハーバード大学医学部附属病院と協議を進める。今回の刑事告訴の断念と返還請求をもって、理研は規定に基づく調査を終える方針。 理研の坪井裕理事は、刑事告訴の見送りと研究費の返還請求について言及した。 今後の調査「やらない」と明言 理研は、今年2月の時点で、混入した可能性の...
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