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震災で需要が増加、医療提供が追い付かない◆Vol.3

レポート 2015年3月15日 (日)  成相通子(m3.com編集部)

全国の看護師を集めて、福島県の浜通り地域の病院を見学するバスツアーの旅では、今年度初めて、昨年3年半ぶりに全線開通した国道6号を通り、「帰還困難区域」を通過した。帰還困難区域は、年間の放射線量50ミリシーベルトを超え、住民が長期にわたって帰宅できない区域で、バスガイドから事前に「窓を開けないように」とのお知らせがあった。バスの窓からは、朽ち果てた家々と道路わきに並ぶ除染廃棄物が入った黒い「フレコンバッグ」と呼ばれる袋が見えた。 除染作業中ののぼり旗と除染廃棄物が入った黒い袋。 参加者の多くは「自分の目で福島の現状を見たい」とツアーに申し込んだという。福島から来た避難者の話を聞いて「福島県で起きたことを知らずに看護の仕事はできない」と応募した看護学生や、「幼いころに福島県に住んでいたことがあり、何かしたい」と参加した看護師など、浜通りで就職先を探すだけでなく、被災地としての福島に興味がある人が多かった。バスが帰還困難地域に入ると、車内では一斉にカメラのシャッター音が響いた。 2014年度のツアーは2月から3月にかけて4回開催し、約60人が参加。2011年度の参加者5人から順調に増え続けて...