公衆衛生、「こんな面白い分野はない」- 渋谷健司・東大国際保健政策学教授に聞く◆Vol.3
インタビュー
2015年3月22日 (日)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――ところで、先生のキャリアについてお伺いできますか。最初は臨床医でしたが、途中から公衆衛生に転じしています。 僕は医局には一度も属したことがありません。(1991年に東京大学医学部を)卒業してすぐに、帝京大学付属市原病院麻酔科で研修したのです。麻酔科の先生が、米ボストンのマサチューセッツ総合病院で研修して帰国したばかりの先生でした。 「20年後の当事者、20年後に20歳の子どもを持っているような世代に、自分たちの問題として医療の在り方を考えてもらいた」(渋谷健司氏)。 ――森田先生ですか(故森田茂穂氏:元帝京大学医学部附属病院長)。 そう、森田先生です。僕は彼に非常に感化されて、「先生、ずっとここにはいないけれど、先生のもとで、地域医療の現場を知りたいので、2年間、お世話になります」とお願いしました。 公衆衛生のことは、大学時代は本当に興味がなく、授業には出ていなかった。本当につまらなくて……。多分、実習も、フィールドワークも行っていない。 ところが、医師として現場に行ってみると、皆が本当に一生懸命やっている中で、システムとしての問題が見えてきたのです。また市原病院は、田舎の工業地帯...
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