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抗コリン薬3年超服用で認知症1.5倍

オピニオン 2015年1月30日 (金)  石原藤樹(六号通り診療所所長)

今日はこちら。 今月のJAMA Intern Med誌にウェブ掲載された、非常に良く使用される抗コリン作用のある薬の、認知症発症リスクについての文献です。抗コリン作用と言うのは、副交感神経に代表される、アセチルコリン作動性神経の働きを抑えるというもので、非常に多くの薬剤がこの作用を持っています。その中には抗コリン作用そのものが、薬の効果であるものもありますし、副作用として抗コリン作用を持つものもあります。 アセチルコリン作動性神経により、胃や気管支、膀胱などの平滑筋は収縮しますから、胃痙攣を抑える目的で使用されたり、気管支拡張剤として、また過活動性膀胱の治療薬として使用されます。パーキンソン症候群の補助的な治療薬として、使用されることもあります。その一方で、鼻水や痒みを止める抗ヒスタミン剤や、抗うつ剤や抗精神薬は、副作用としての抗コリン作用を持っています。この抗コリン作用は基本的に末梢神経のものですが、脳への作用も皆無ではありません。 一方で認知症では脳のアセチルコリン作動性神経の障害が、早期に起こると考えられています。そのために、現在認知症の進行抑制目的で使用されている、ドネペジル(...