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「勤務医よ、過労死防止法で身を守れ」

レポート 2014年11月17日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

全国医師ユニオン主催のシンポジウム「勤務医の過重労働と過労死・人権」が11月16日、都内で開催され、基調講演した過労死弁護団全国連絡会議事務局次長で、弁護士の岩城穣氏は、「勤務医の過重労働改善には、まず現行法を守るように働きかけることが大切であり、これは今でもできる」と指摘、その上で、この11月から施行された過労死防止法を活用し、改善に向けて勤務医自らが声を上げていく必要性を訴えた。 基調講演した弁護士の岩城穣氏。 岩城氏は、勤務医の労働の実態として、(1)36協定が長時間労働の歯止めになっていない、(2)賃金不払いの常態化、(3)宿直・宅直・オンコールなどによる拘束時間の長さ――を挙げ、労働基準法などが順守されていない実態を問題視。例えば、「月150時間の時間外勤務」を定めた36協定があるほか、2012年の厚生労働省「賃金センサス」(賃金構造基本統計調査)によると、医師の「超過実労働時間数」は1カ月当たり12時間(10人以上規模)にすぎず、実態とのギャップがあり、宿直などをしても「時間外労働」として扱われていないことが示唆される。 「最近の一般的な労働相談の場合、半分はパワーハラスメ...