医療復興事業費、約1000億円以上、宮城
スペシャル企画
2012年3月20日 (火)
橋本佳子(m3.com編集長)
宮城県医師会副会長の佐藤和宏氏は、今年2月下旬、宮城県沿岸部の医療機関を医師会幹部とともに視察、その様子を、「復興のスピードは遅い。高台移転を検討しても、なかなか進まない。気仙沼など、町の様子が変わってしまった地域もある」と語るとともに、町の再建や行政の対応の遅れを指摘する。 津波の被害を受けた沿岸部は、瓦礫の処理が進んでも、地域の復興計画が決まらないため、住民が震災前までには至っていない。おのずから診療所を再開するにも、元の場所に戻るわけにはいかず、仮設住宅の近くなどに移転したケースもある。また元の場所で再開できても、国の補助金などの執行が遅く、二重ローンが生じるなど資金繰りの負担は大きい。 宮城県医師会副会長の佐藤和宏氏は、政府の対応の遅さ、復旧・復興の枠組みの複雑さを問題視する。 「廃止」55施設、「休止」28施設 震災前の宮城県の医療機関数は、病院147施設、診療所1616施設、歯科診療所1062施設の計2825施設(2011年3月11日時点)。 震災10カ月後の2012年1月11日時点では、「廃止」55施設(病院1施設、診療所33施設、歯科診療所21施設)、「休止」28施設(...
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