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38歳の若さで、非医師ながら教授に- 慈恵医大熱帯医学教授・嘉糠洋陸氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2011年8月4日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

東京慈恵会医科大学の熱帯医学講座の教授にこの6月、38歳の若さで就任したのが、嘉糠洋陸氏。出身は獣医学科で、専門は寄生虫学。臨床・基礎系講座の教授のポストに医師以外が就くのは慈恵医大では3人目だという。 「面白いと思うこと以外、やらない。それが基礎研究者の基本」。こう語る嘉糠氏に、第一線の研究者としての姿勢や今後の抱負などについてお聞きした(2011年7月8日にインタビュー、計3回の連載)。 ――まず先生のご経歴をお聞かせください。 もともと研究志向でした。大学を受験する際、医学部に行くという選択肢もあったのですが、18歳の僕には臨床医を一生続ける覚悟がなかった。 また、今は考え方が変わってきていますが、医師は年間約8000人誕生する。自分がその一人にならなくても、誰かが必ずやるだろう、自分じゃなくても、という考えが一番大きかった。ただし、医学には非常に興味があったので、東大の理系を選び、獣医学科に進んだのです。 1997年東大農学部獣医学科卒業、2001年阪大大学院医学系研究科修了、2003年米国スタンフォード大学医学部留学、2004年東大大学院薬学系研究科講師、2005年帯広畜産大...