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医師が名誉毀損裁判で敗訴、東京女子医大事件

レポート 2010年8月24日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

東京女子医大事件で、業務上過失致死罪に問われたものの、無罪が確定した医師、佐藤一樹氏が、同大と元院長の東間紘氏を、名誉毀損と不当解雇で訴えていた裁判の判決が8月24日の午後、言い渡され、東京地裁は佐藤氏の請求をいずれも棄却した。佐藤氏は、被告(大学と東間氏)に5500万円、大学に約1900万円などの損害賠償を請求していた。 裁判所は、名誉毀損について、佐藤氏が問題視していた「死亡原因調査委員会調査報告書」(以下、内部報告書)に関し、「調査報告の誤りの程度は重大である」としながらも、佐藤氏の提訴時期が遅れ、時効が成立しているとした。 一方、佐藤氏は諭旨退職されたことを「不当解雇」に当たるとしていたが、「原告(佐藤氏)は医療記録の一部改ざんに協力した。それはどのような理由があっても正当化されるものではない」とし、諭旨退職は違法ではないと判断した。 佐藤氏は、判決後、「時効が成立しているか否かが、問題になるとは予想していた」と述べ、今後、判決を詳細に検討して、控訴か否かを判断するとしている。 「内部報告書」が刑事事件の端緒に 東京女子医大事件は2001年3月、当時12歳の女児が心臓手術後に死...