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「身体拘束・最高裁判決は大人の判断」-弁護士・中村勝己氏に聞く

インタビュー 2010年2月10日 (水)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

最高裁判所は1月26日、「身体拘束は違法」とした名古屋高裁判決を破棄する判決を下した。この事件は、夜間せん妄の患者(2003年11月当時80歳)が転倒等の危険があったことから、看護師がミトンを使用して患者が入眠するまでの約2時間拘束、これが不法行為および債務不履行に当たるとして患者側が損害賠償を請求したもの。2006年9月の一審判決では患者側の請求は棄却されたものの、2008年9月の高裁判決では一転して請求を認め、病院に70万円の支払いを命じていた。 病院側の代理人を担当した弁護士の中村勝己氏に、最高裁判決の受け止め方やその解釈などについて聞いた(2010年2月4日にインタビュー)。 ――今回の最高裁判決をどう受け止めましたか(判決は、最高裁のホームページに掲載:PDF)。 まず高裁判決ですが、従来、一般病棟で転倒・転落したとして、それを身体拘束などで防止しなかったことが問われ、病院側が敗訴した例はありますが、身体拘束を行ったことで違法性が認定されたのは私が知る限り、恐らく初めてでした。この高裁判決は全国紙などでも取り上げられ、今回の最高裁判決が注目されていました。 実は最初、最高裁判...