コロナ後遺症にワクチンとリハが持つ可能性【時流◆Long COVID】

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）回復者が抱える後遺症（Long COVID）の問題に対し、症状を改善する、あるいは後遺症の発生そのものを抑える手立てはあるのだろうか。国立国際医療研究センター国際感染症センター総合感染症科・森岡慎一郎氏の話を続ける。（取材・まとめ：m3.com編集部・軸丸靖子）。 前回の記事 『待ったなしの後遺症対応、そもそもの定義と症状』 はこちら Long COVID、日本の知見 　国内では、2020年に2つの調査が行われています。当センターが8月に行った回復者追跡調査（5）と、和歌山県が11月に公表したアンケート（6）です。 　われわれの調査では、2020年2～6月にCOVID-19のため当センターへ入院し、回復退院した患者78例（うち日本人56例）を対象に、発症当時に認められた症状の遷延状況および遅発性の症状について、電話インタビューを行いました（Open Forum Infect Dis. 2020 Oct 21;7(11):ofaa507.）。インタビューを完遂できたのは63例でした。 　発症時に最も多かった症状は発熱（71.4％）でし...