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関節症5倍に、超高齢社会で重要性増す【平成の医療史30年◆整形外科編】

2019年2月15日  平成の医療史30年

 骨・関節・筋肉を主に扱う整形外科学は、高齢者の増加に伴い重要性を増している診療科の一つであり、超高齢社会において健康寿命をいかに延ばせるかは、運動器の健康にかかっていると言えよう。平成の間に膝や股の関節症の患者数が5倍以上に増えるなどした整形外科関連疾患の変化を、患者数から追った。(m3.com編集部・森圭吾) 23万8000人から125万人に  厚生労働省の平成26年患者調査(疾病分類編)によると、平成の間に最も患者数が増加した整形外科疾患は、変形性膝関節症(OA)や老年性股関節症、ヘバーデン結節などの関節症で、1990年(平成2年)には23万8000人だった患者数が、2014年(同26年)には125万人へと5倍以上に増えている(図1)。 図1. 関節症の総患者数、平成の推移 (厚労省「患者調査」より作成)  患者数の増加に伴って人工関節手術の件数も増えて来たことから、日本整形外科学会のインプラント委員会が、2006年(平成18年)に人工関節登録調査のトライアルをスタートさせた。現在の調査主体である日本人工関節学会がまとめた2017年度(同29年度...