新薬の”benefit”を定量的に評価するには
オピニオン
2021年9月26日 (日)
國頭英夫(日本赤十字社医療センター化学療法科)
前回ご紹介したように、2014年にASCO(American Society of Clinical Oncology)は、いくつかの癌腫について、”clinically meaningful outcome”を定義し、比較試験で新治療の検証を行う際には「統計学的な有意差」ではなく「臨床的に意味のある差」を求めるべきだ、という提言を行いました。これに引き続き、新しい治療や新薬のbenefitを重み付けして表し、相互に比較できるようにと考案されたのがASCO value framework(ASCO VF)と、ESMO(European Society of Medical Oncology)のMCBS(Magnitude of Clinical Benefit Scale)で、ともに2015年に発表されました。前年の”clinically meaningful outcome”がクリアすべきハードルを定性的に示したのに対して、ASCO VFとESMO MCBSはそれを定量的に表す指標と考えられます。 ASCO VFは2016年にupdateされ、ESMO MCBSは2017年にver...
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