医療機関への患者紹介と紹介料の受領の適法性について
オピニオン
2021年2月7日 (日)
加藤伸英(法律事務所柏樹代表)
《質問》 私は、皮膚科の医師ですが、近いうちに、保険診療ではない美容皮膚科のクリニックを開業することを考えています。もっとも、開業後、患者が来てくれるかが心配です。そうしたところ、知り合いから、患者紹介をする業者の紹介を受けました。その業者の説明では、患者を紹介する代わりに、その患者が診療に至った場合、私がその患者から受領した診察料や手術料の一部を、その業者に紹介料として支払うとのことでした。これに法律的な問題はありませんでしょうか。 また、私のクリニックが保険医療機関の指定を受けて、保険診療と自由診療の両方を行う場合はどうでしょうか。 《解説》 1.はじめに 医院・病院の収入の確保は、人口減少の局面を迎えている国内、最近では新型コロナウイルス感染症により経済活動が停滞している状況では、大きな課題です。 今回のコラムでは、医院・病院の収入源の多様化の一つの選択肢として、患者紹介料について検討したいと思います。 患者の紹介料というと、少し前に「患者紹介ビジネス」が社会問題となり、規制が設けられました。読者の方には、良いイメージをお持ちではない方もおられると思います。本稿では、法律が禁じる...
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