1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「善意の在宅」が仇、2200万円を返還

「善意の在宅」が仇、2200万円を返還

レポート 2014年12月11日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

「個別指導で約2200万円の自主返還を求められた。在宅医療のレセプトは、どうしても高点数になる。そもそも本来、個別指導は、在宅医療が必要ないのに実施して、保険請求したりするケースを対象にすべきではないのか。こうしたケースと、真摯に在宅医療に取り組んでいる我々を一緒にしないでほしい」 医療法人鳥伝白川会理事長の泰川恵吾氏 こう語る医療法人鳥伝白川会理事長の泰川恵吾氏は、憤りを隠さない。泰川氏が経営する「ドクターゴン診療所」は、沖縄県宮古島の南部にあり、離島在宅医療を展開する。宮古島南部のほか、他に実施する医療機関がなかったため、宮古島北部、近隣の池間島や大神島への訪問診療や往診をしていたが、2013年11月の個別指導で、「往診料の算定が認められるのは16km以内まで」という診療報酬の算定ルールに反している診療分について、自主返還を求められたのだ。 池間島などへの在宅医療は長年実施していたが、2011年に個別指導を受けた際には、今回と同様の指摘は受けず、自主返還も求められなかった。ドクターゴン診療所の年間の医業収入は約1億円だが、人件費をはじめ経費がかさむこともあり、法人の収支は数百万円の...