夜勤で「事故と癌のリスク上がる」
レポート
2012年11月19日 (月)
池田宏之(m3.com編集部)
全国医師ユニオンや日本医療労働組合連合会などは11月18日、2108人の勤務医を対象に実施した調査の結果速報を公表したのに併せ、都内で「勤務医の労働環境改善への課題と展望」と題したシンポジウムを開催した(『勤務医の4割強、「ここ2年で負担増えた」』を参照)。講演した労働科学研究所慢性疲労研究センターの佐々木司氏は、「夜勤には事故や発癌のリスクがある」、千葉県君津市の病院で産業医やドクターヘリの救急医として働く吉田明子氏は、「今後、親の介護で職場を離れる女性医師が出てくる」とそれぞれ述べ、労働環境改善の重要性を訴えた。 佐々木氏は、医師の夜勤における安全性と健康問題を中心に講演。「週6日」「1日8時間」「日中」に勤務した場合の医療事故のリスクを1.00とした場合、同じ働き方で、「夜勤」の場合の事故リスクは1.41、「週4日」「1日12時間」「夜勤」の場合は1.55となる英国の研究結果を紹介。合わせて、夜勤の時間帯の作業成績が、酒気帯び状態と同等まで落ちるとしたネイチャーの論文を引用し、「病院での『当直』は、実際には夜勤。夜勤には安全上のリスクが伴う」と指摘した。 「疲労を感じないグループ...
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