妹の殺人罪が確定、注目される行政処分の行方 - 須田年生・慶応大学医学部教授に聞く
インタビュー
2010年5月25日 (火)
聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)
2009年12月、最高裁で延命治療の中止で殺人罪が確定した、須田セツ子氏(『「殺人罪が確定しても、“実害”がない」- 須田セツ子・元川崎協同病院医師に聞く』を参照)。その実兄に当たるのが、慶応大学医学部発生・分化生物学教授の須田年生氏。今は基礎医学に携わっているが、以前は血液内科の臨床医だった。 当初から身近に見てきた立場から、事件に対する感想、さらには今後想定される行政処分のあり方などについて、語っていただいた(2019年4月26日にインタビュー)。 「裁判を通じて、医療界にも終末期医療のあり方を検討するよう課題が投げかけられた」と語る、須田年生氏。 ――逮捕・起訴から昨年12月の最高裁判決を通して、一番感じたことは何でしょうか。 「この裁判で得たものは何か、何かに益するところがあったのか」ということです。私が一番心配しているのは、今回の判決で、医師が終末期医療からますます“立ち去って”しまうことです。「危ない目(逮捕・提訴される)に会いたくない」と。これから人口の高齢化がますます進み、医療ニーズが高まる中で、これは非常に大きな問題でしょう。 ――終末期医療のあり方について、どんな考...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。