複数の医療機関で勤務する医師の労働時間を把握しよう
オピニオン
2021年7月25日 (日)
千正康裕(株式会社千正組代表取締役)
医師特有の課題(3)(副業・兼業) 医師の働き方改革の第一歩は、医療機関の管理者が正しく勤務医の労働時間を把握することだということを、前々回の記事で、お伝えした。 労働時間とは、在院時間とは異なる概念であり、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」のことであり、「使用者の明示または黙示の指示」があるか、「労働者が業務に従事する時間」かどうかが、メルクマールとなる。 厚生労働省では、医師の労働時間が何かということについて、医師特有の課題にフォーカスしながら、考え方を整理している。医師の労働時間管理で、よく問題になるものとして、前々回は宿日直の取扱いについて、前回は研鑽の時間について紹介したが、今回は、副業・兼業についてお話したい。 医師の中には、主たる勤務先での診療等に加えて、他の医療機関でも勤務するケースが少なくない。特に、大学病院や地域医療支援病院などでは、そのようなケースが多いだろう。こうした医師の労働時間については、どう考えたらよいのだろうか。例えば、主たる勤務先では、年間の時間外労働時間が960時間(A水準)に収まるが、兼業先での労働時間を合計すると960時間を超えるケースもあ...
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