原発事故の経験・記憶・教訓、風化を懸念 - 坪倉正治・福島県立医大放射線健康管理学主任教授に聞く◆Vol.1
スペシャル企画
2021年3月10日 (水)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
2011年3月11日。福島県沿岸部、浜通り地域は、地震と津波だけではなく、福島第一原発事故に伴う放射線被曝の危険にさらされた。浜通りにいち早く現地入りし、住民の内部被曝検査や避難の長期化などに伴う二次的な健康影響に関する調査に取り組んできたのが、坪倉正治氏。 「3.11」当時は、血液内科医だったが、臨床と現地での医療支援や研究を続け、2020年6月には福島県立医大放射線健康管理学主任教授に就任した。 坪倉氏にこの10年間の取り組みを概観していただくとともに、課題や今後の展望をお聞きした(2021年2月8日にインタビュー。全4回の連載)。 ――まず今はどんな仕事をされているのか、お教えください。2020年6月に放射線健康管理学講座の主任教授に就任されました。 それまでも公衆衛生学講座に籍があり、特任教授の位置付けで仕事はしていました。ただし、常勤職として何らかの職務があるわけではなく、給料はゼロでした(笑)。今回、主任教授のポストをいただき、常勤になり福島医大での仕事が中心になりました。大震災以来、行われている「県民健康調査」のサポートなどです。 もちろん大学の規定として学外で働く時間は...
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