専門医資格取得に着目して医師の年俸決定、独法化を機に-岩中督・埼玉県病院事業管理者に聞く◆Vol.1
スペシャル企画
2020年11月9日 (月)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
県内で4つの病院を運営する埼玉県では、2021年4月1日の地方独立行政法人化を目指し、現在準備を進めている。埼玉県病院事業管理者の岩中督氏は、「独法化の最大の眼目は、医師の給与体系の見直し、それに伴う医師の採用増だ」と語る。医療の起点は医師の診察や各種オーダーであり、経営改善のカギは医師の採用増とモチベーションのアップにあると、岩中氏は見ているのだ。 「人口10万人当たりの医師数は47都道府県中、埼玉県が最下位。とにかく医師が足りず、本当に困っている。公務員の条件〔医療職給与表(1)〕」を提示しても医師が集まらない。埼玉県の医療に必要な医師に来てもらうために、どうすればいいかを考えた結果、医師の専門性と病院運営への貢献を手厚く評価し、メリハリのある処遇ができる年俸制の採用を検討している。頑張っても見返りがない一方、頑張らなくても見返りがある今の給与体系を改めたい」 地方独立行政法人化後に想定している埼玉県の県立病院勤務医師の年俸制の基本的考え方(提供:岩中氏) 日本専門医機構と学会認定の専門医を基軸に 埼玉県が運営するのは、循環器・呼吸器病センター(熊谷市、343床)、がんセンター(伊...
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