“瀬戸際”にある東京の医療の危機 - 大曲貴夫・国立国際医療研究センター・国際感染症センター長に聞く◆Vol.1
インタビュー
2020年4月1日 (水)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床、研究では、東京都のみならず日本の拠点の一つとなる国立国際医療研究センター。その国際感染症センターのセンター長を務めるのが、大曲貴夫氏。東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議の委員でもある大曲氏が先日、個人のFacebookで、都内のCOVID-19の医療提供体制に警鐘を鳴らした。 感染者が増加する現状をどう見ているのか、今後どんな医療提供体制を整える必要があるのか――。数多くの患者を受け入れてきたCOVID-19に関する臨床経験も踏まえ、お聞きした(2020年3月31日13時にインタビュー。計3回の連載予定)。 ――今、世間の注目は、首相が「緊急事態宣言」を出すかどうかです。昨日(3月30日)、日本医師会常任理事で、政府の諮問委員会、専門家会議の委員を務める釜萢敏氏が、出すべき時期だとの発言をされました(『「緊急事態宣言、もう宣言すべきという意見が大半」』を参照)。先生ご自身の現在の流行状況の受け止めは。 私は行政のプロではないので、「緊急事態宣言」を出して、改正特措法をアクティベートしたところで、行政が医療に対して何ができるのか...
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