【フランス便り】検査と死亡者数と治療と……めまぐるしい展開に
オピニオン
2020年3月27日 (金)
奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)
全国的外出禁止、生活上不可欠以外の全ての活動中止から1週間過ぎたフランスでは、政策の手落ちや一部の医療界の分裂が表面化して来ています。前例のないケースだけに政府も連日の改善変更を発表し、議会投票を経ずに特別立法されるオルドナンス(期間限定で政府が発令する政令)の数も26に。3月26日の官報で発布されています。 検査 初期のクラスター管理ではPCR検査を徹底して行ったフランスですが、蔓延期に入ってからは全検査は無用(正確には、試薬量・検査キャパシティーを超えていた)とし、重症入院患者のみに対象を絞りました。 WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長の「テスト、テスト、テスト」との発言を受けて、3月21日、オリビエ・ヴェラン保健大臣は、「フランスが現在の外出禁止期間が終了し、再び国民が外に出るタイミングで徹底的にテストをすることにしました」と発表しました。この時には、「PCR検査ではなく、血液抗体検査で行うかもしれない。現在、内外で行われている全ての検査方法を検討中、最適な方法を導入予定である」と発表。いずれの検査方法にせよ、今後は検査の徹底に方針を変更(訂正)するようです。 死亡者数 居...
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