応招義務「患者を診察しないことが正当化される事例」整理
レポート
2019年12月27日 (金)
橋本佳子(m3.com編集長)
厚生労働省は12月25日、「応招義務をはじめとした診療治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」と題する医政局長通知を都道府県に発出した。医師法第19条第1項と歯科医師法第19条第1項に規定する応招義務は、医師や歯科医師が国に対して負う義務であり、患者に対する私法上の義務でないとしている。厚労省医政局医事課によると、国は診療に従事する医師の基本姿勢として応招義務を求めるものの、例えば、診療契約を結んだ患者について、医師が正当な理由なく診療を拒んだ場合に、それは応招義務ではなく、診療契約上の問題になるという(資料は、厚労省のホームページ)。 他方、1949年(昭和24年)の旧厚生省通知を根拠に、医療機関が組織として、患者からの診療の求めに応じて必要十分な治療を行うことが求められ、正当な理由なく診療を拒んではいけないとも明記している。 医療機関や医師個人が、診療の求めを拒むことが正当化される理由として、緊急対応の必要性が最も重要な考慮要素だが、それに加えて診療時間・勤務時間内であるか否か、患者との信頼関係があるか否かも重要な考慮要素であるとした。緊急対応が必要な場合かつ時間内の場合に...
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