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医療現場で「家に来い」「土下座しろ」、その裏側にある想い

オピニオン 2019年11月24日 (日)  永井弥生(医療コンフリクトマネージャー/皮膚科専門医)

前回、コンフリクト・マネジメントの基本を次の3つに整理していますとお伝えしました(『丁寧な説明も「言いくるめられた気が…」、医療メディエーターの役割とは』を参照)。 その1 傾聴・共感・承認 その2 本当の想い、背景、価値観を知る その3 事実確認と評価から問題解決へ 今回は前回で予告した『 その1 傾聴・共感・承認』について具体例でご説明します。 以前、遠方の知り合いの奥様から、「ご相談があります!」というショートメールのメッセージが来たことがありました。ご主人が小児科のクリニックを開業されていて、奥様は看護師さん、一緒にバリバリに働いています。昼間から何があったのかと電話で折り返しました。 「ちょっとご相談したいんです!」と、とても慌てた様子。小児科で子供さんの皮膚の病気に対して軟膏を出すことはよくありますが、それを塗ったら悪化したと、子供さんの父親から「今から怒鳴り込みに行く!」と連絡があったのだそうです。 いつも外来患者さんでいっぱいのクリニック。そんなところで騒がれたら、別の部屋に連れて行こうと思っても聞いてくれなかったら、「どうしましょう!!」となってしまったようでした。 ...