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33歳男性医師の過労死裁判、福岡高裁で第1回口頭弁論

レポート 2019年9月13日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

33歳の男性医師が過労死し、遺族が勤務先だった長崎みなとメディカルセンターを運営する地方独立行政法人長崎市立病院機構に損害賠償と未払いの時間外労働の割増賃金を求めた控訴審の第1回口頭弁論が9月13日、福岡高裁(岩木宰裁判長)で開かれ、岩木裁判長は、「(厚生労働省による過労死の)認定基準の基となった医学的知見があるかどうかを教えてもらいたい」と求めた。遺族側、長崎市立病院機構ともに証拠を準備すると回答。第2回口頭弁論は11月13日に開かれる予定。 長崎地裁の2019年5月27日の判決では、医師の過労死(2014年12月18日に死亡)と業務との因果関係を認め、病院側に安全配慮義務違反等があったとし、計約1億6700万円の支払いを命じた(『33歳男性医師の過労死、1億6700万円の賠償命令 -長崎地裁判決◆Vol.1』などを参照)。判決を不服とした長崎市立病院機構が控訴。 岩木裁判長の発言の背景となったのは、長崎市立病院機構が提出した控訴理由書の次の記載だ。 男性医師は心臓突然死したが、病理解剖の結果、虚血性心疾患(心筋梗塞)、脳血管疾患(くも膜下出血)が明確に否定されているので、致死的不整...