大学勤務医の臨床の比重増加、経営悪化で【平成の医療史30年◆大学編】
スペシャル企画
2019年3月17日 (日)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――その上、国立大学病院にとっては、控除対象外消費税の問題もあります。2014年度に消費税率が5%から8%に引き上げられた際、特定機能病院の補てん率は61.7%という結果でした(『2019年度消費増税対応は基本診療料で、「議論の整理」(案)了承』を参照)。 その通りです。2019年10月の税率10%への引き上げの際は、見直され、特定機能病院全体では補てん率が100%近くになるとのことですが、それはあくまで平均値。われわれは、病院の規模によって補てん不足が億単位でばらつくことを以前から主張してきました。その点は今回も改善される見通しはありません。 (提供:山本氏) 厳しい経営環境が続く中、45ある国立大学病院全体の2017年度の決算は、前年度より18億円のマイナス 。また、医業による収益差額は31億円のマイナスで、前年度より悪化しています。それに運営費交付金が12億円入っても、収支は均衡しません。病院だけでなく、国立大学そのものが今、存続の危機なのではないかと思っています。収入は授業料と運営費交付金がほぼ全て。それ以外の特許料収入などはごくわずか。経営改善につながる手立てがなかなか見当た...
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