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「宿直」の定義が先決、時間外労働の議論に“注文”

レポート 2019年1月16日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

中井章人氏 日本産婦人科医会常務理事の中井章人氏は1月16日の記者懇談会で、「時間外労働の上限規制ばかりが議論されているが、宿直と夜勤の明確な定義を示してもらわない限り、きちんとした対策、対応が取れない」と述べ、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の議論の進め方に注文を付けた。 時間外労働の時間には、宿直は含まれない。同医会の分娩施設を対象に実施した「施設情報調査2018」によると、産婦人科医の宿直を除く時間外労働は「週10時間以内」の施設が大半だが、1カ月当たりの平均宿直回数は5.6回で、労働基準法が定める「週1回が限度」を超える。 宿直の定義を見直し、宿直であっても一定時間以上勤務した場合に「夜勤扱い」とすれば、時間外労働の時間数は現状よりも増える。反対に、宿直の解釈を緩和し、一定時間以上勤務しても「宿直扱い」とすれば、「連続勤務時間制限28時間」の対象となる「連続勤務」には含まれないなど、医師に時間外労働の上限規制特例を認める代わりに講じる「健康確保措置」が有名無実化する。 日本産婦人科医会は毎年、「施設情報調査」を実施している。「施設情報調査2018」では、「宿直を除...