「県内出身者を対象とした地域枠」を中心にすべき- 筑波大学◆Vol.3
スペシャル企画
2018年7月29日 (日)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
(※筑波大学地域医療教育学教授の前野哲博氏、講師の片岡義裕氏のインタビュー。経緯は、Vol.1を参照) ――調査研究を通じて、浮かび上がった問題点は何でしょうか。 片岡 一つは、制度の目的と内容が一致していない、はっきりしていない大学が結構見られたことです。簡単に言えば、「県内のどこでもいいから残ってもらいたい」という考えから作られた制度と、「県内の特に医師不足地域に行ってもらいたい」という考えで作られた制度は、中身が違って当然ですが、必ずしもそうではありません。「医師不足地域に行ってもらいたいけど、対象診療科も絞ってしまう」といった制度も見られました。また先にも触れましたが、都道府県と大学の考えが一致しないケースもあります。 さらに入学する医学生やその親にとっても、地域枠の目的が必ずしも認識されていない現状もあるようです。要は「入試の推薦枠、受験枠の一つ」と捉えている方が結構多いと思います。対照的なのは、自治医科大学でしょう。地域医療を支える人材を養成するという目的が明確で、医学生などにもそのイメージがわきやすいのです。 前野哲博氏 前野 高校卒業したばかりの医学生に、「地域医療をイ...
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