東大・分生研教授ら、5報の論文で不正行為
レポート
2017年8月2日 (水)
橋本佳子(m3.com編集長)
東京大学は8月1日、医学系研究科5教授と分子細胞生物学研究所1教授の論文22報について、データの捏造・改ざんの疑いとの申し立てに対する調査結果を公表、分生研教授の渡辺嘉典氏と、論文公表時は同教室の助教だった丹野悠司氏の5報、16図について、不正行為があったと認定した。不正の背景として、「渡辺氏による強い指導体制」など4点を挙げ、研究室を仕切る教授の責任を問い、「渡辺氏の責任は重大」と指摘した。一方、医学系研究科の5教授の論文も調査されたが、不正行為はなかったとされた。 東大では今後、渡辺氏が発表した他の論文についても追加調査を行うほか、今回の事案の徹底した検証と、分生研の組織の在り方、大学としての新たな再発防止策を検討。追加調査の結果と併せて、今後改めて発表、処分等も検討する。また5報の論文の研究に対し、国から計14億8000万円が助成されており、文部科学省などと協議して返還額を決める予定。 データの捏造・改ざんの疑いとの申し立ては、2016年8月から9月にかけて行われた(『東大、医学系教授ら6人、22報の論文不正疑惑、本調査』を参照)。 東大は予備調査を実施、その結果を踏まえ、東大科...
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