慈恵医大、がん疑い見逃し新たに5人、検討委
レポート
2017年7月21日 (金)
橋本佳子(m3.com編集長)
東京慈恵会医科大学附属病院は7月20日、新たに5人の肺がんや胃がんなどの見逃しがあったとし、再発防止策を提言した、「慈恵大学診療情報共有改善検討委員会」の答申書を公表した。CT画像診断もしくは病理組織診断の報告書の見逃しで、その期間は、短い患者で4カ月、最長は3年間(答申書は、同大のホームページ)。 答申書は、「診療情報が治療に生かされず患者の病状悪化を招くことは明らかな医療事故」であり、「診療情報の確認不足という人為的な単純ミス」と指摘。重要な診療情報を共有し、患者の病状悪化を見逃す事故を根絶するために、「地位の高い医師をトップとして、その下にメディカルアシスタント若干名を配置する新規の司令塔部署を設けて、画像診断報告書の全件チェックを行う」ほか、患者への検査報告書の交付など、計6つの再発防止策を提言している。 慈恵医大病院は今年2月、肺がん疑いの患者の診断結果の情報共有不全から、1年間放置された事例が報道された。同病院では、この問題が判明した2016年11月から原因究明と再発防止策の検討を進めていた。しかし、重要な診療情報の共有が医師間で十分になされていない類似事案が過去にあったこ...
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