「医療政策が権力構造におもねる懸念」中川日医副会長
レポート
2017年7月5日 (水)
橋本佳子(m3.com編集長)
日本医師会副会長の中川俊男氏は、7月5日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、退任のあいさつを述べ、昨今の政治情勢を踏まえ、「日本の医療政策がその時々の権力構造におもねる形で決まっていきはしないか」と危うさを提起し、中医協委員には、丁寧で開かれた合意形成のプロセスを守ることを要望するとともに、事務局を担当する厚生労働省職員には、「医療を守る最後の砦」とエールを送った。 中川氏は5日の総会で、同副会長の松原謙二氏とともに、中医協委員を退任した(『中川・松原日医副会長、中医協委員交代』を参照)。 日本医師会副会長の中川俊男氏 中川氏が退任のあいさつで言及したのは、2018年度診療報酬と介護報酬の同時改定や薬価制度改革の具体的内容ではなく、中医協の議論の進め方。中川氏はこれまでも、2016年12月の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」の4大臣合意をはじめ、“外野”からの中医協への介入をけん制してきた(『「薬価制度の抜本改革、メーカーの成長戦略か」と疑念』などを参照)。 「最近では直接の所管でない、政府の他の部門から診療報酬の細部に踏み込んだ提...
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