「勤務医は労働者」との決めつけ、乱暴すぎる - 邉見公雄・全自病会長に聞く◆Vol.2
インタビュー
2017年7月6日 (木)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――先生は「医師の働き方改革」の議論の難しさを指摘されています。 まずどこまでが医師の「労働時間」に当たるのかという問題があります。自分のスキルアップやキャリアアップのために、院内外のカンファレンスや研修会に参加する。研究、論文や学会発表の準備をする。学会で自分が発表する場合はどうか、他の発表を聞く時間も労働に当たるのか。研修医の「研修」はどこまでが労働か、指導医の「指導」、あるいはその準備も労働か。中には、「実家の父が病気になり、早く診療所を継承したいので」という理由で、その準備のために、長時間働く医師もいます。 「聖職感」が強い医師も多く、「休日」であっても、病院に来て働く医師がたくさんいます。午前2時、3時まで緊急手術しても、次の日も病院に来てしまう。さまざまな「医師の文化」をどう解釈するか。 主治医制という、日本特有の「医療の文化」もあります。「あの先生は、臨終にも来なかった」となれば、家族はその病院を受診しなくなってしまう。私が中医協(中央社会保険医療協議会)の委員をしていた際、中医協総会で東京に出てこなければならず、私が長年診ていた患者さんの臨終に立ち会えず、後からご自宅に...
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