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総合診療、「教育」が必要な理由は?◆Vol.2

スペシャル企画 2017年2月5日 (日)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【林】 確かに、大学病院の医療は臓器別で、より細分化が進んでいます。一方で、患者は複数の疾患を持っていることが多い。しかも、まだ診断が付かない患者をどの診療科が診るのか、という問題もあります。 さらに私は、大学病院から今の原土井病院に移り、最近気づいたのですが、大学は「医学」は教えてはいても、「医療」を教えていない。これは「学問」と「学習」の違いでもあります。目の前に来る患者は複数の病気を持っており、日々自らが「学習」していかないと対応できません。 日本病院総合診療医学会の林純理事長(右)、田妻進副理事長(左)。 【田妻】 我々は今、加速度的に変化する局面にいます。大きなうねりの最中で人を育てていくというミッションは、重く難しい一方、やりがいも当然あります。 例えば、今から10年ほど前に、消化管のESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が高度医療として導入されましたが、今では既に特殊な技能ではなくなってきます。高度医療の進化、普及のスピードは早い。その流れを知らないまま、ジェネラリストとして育っていくのは矛盾があります。物事の進化をリアルタイムに把握し、かつ自分の立ち位置を見失わない。そうした...