外来1回3円、入院1日12円で無過失補償制度が実現可能
オピニオン
2016年12月2日 (金)
大磯義一郎(浜松医科大学医学部法学教授)
11月19日の第11回医療の質安全学会学術集会において浜松医科大学医学部の医学生が研究した成果を発表した。医学生を指導した浜松医科大学医学部法学教授の大磯義一郎氏に発表内容をまとめてもらった。 医学部医学科4年の森亘平、大野航らは「診療科間における「金銭的損害」を考慮した医療事故リスクの再考」を口演発表した。本研究は、1999年4月~2015年3月末までの医療訴訟判決(民事)を基に作成した、浜松医科大学法学教室のデータベースを活用している。医療訴訟頻度のみならず金銭的損害を考慮した医療事故リスクを算出し、それを基に無過失補償制度の試算を行っている。 まず医師1000人当たりの1年平均の訴訟件数を計算すると、消化器外科(1.06件)、産婦人科(0.98件)、脳神経外科(0.90件)、心臓血管外科(0.79件)、感染症内科(0.60件)の順に多かった。なお、今回は診療科としての救急科と救急外来の区別の難しい救急科、保険診療領域のほとんどない美容外科は除外している。 次に診療科別医師1人当たりに換算した年間認容額を求め、金銭的損害を考慮した医療事故リスクを算出した。この結果によると産婦人科(...
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