紛争・訴訟事例でも“センター調査”実施 - 木村壯介・日本医療安全調査機構常務理事に聞く◆Vol.3
インタビュー
2016年12月1日 (木)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――医療事故として報告された388例の中で、裁判に発展したケースはどのくらいあるか、把握されているのでしょうか。 各種報道を見ていると、提訴されたケースはあると思います。ただし、院内調査報告書が裁判に使用されたか否かは分かりません。 しかし、医療事故調査制度は、医師法21条や裁判などの問題とは、別の次元で作られた制度です。本制度の「外」でどんなことがあっても、本制度として、医学的視点を踏まえ、中立的な調査を行うことが必要であり、「どこが悪かったか」など、白黒を付けるような調査はしません。 木村壮介氏は、医療事故調査制度の課題として、「各地域で研修を担当しているが、まだ本制度への理解が進んでいない」ことを挙げる。 ――院内事故調査を行っても、遺族がそれに納得せず、センター調査の依頼があった場合、並行して民事提訴していても、センター調査は実施する。 はい。法律通りに実施することにしています。調査結果がどのように使われるかは、我々が関与するところではありません。 どこで「紛争」の線を引くかは難しい。裁判になれば紛争と分かりますが、それ以前に弁護士同士が前面に立って交渉している場合などもありま...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。