「裁判になれば、事故調制度は停止を」医学部長会議が申し入れ
レポート
2016年9月28日 (水)
高橋直純(m3.com編集部)
全国医学部長病院長会議は9月27日の定例記者会見で、日本医療安全調査機構に申入書を提出したと報告した。裁判になることが明らかになる場合には、医療事故調査制度に則った事故調査を停止すべきと訴えている。 申入事項の6番目では、「事故調査報告書が係争の具として利用されることが明らかな場合には、医療安全の確保という制度の目的に鑑みて、貴機構において今回の法に規定される作業は行わない。係争の手段として行われる事象は全て、この法の埒外にて処理すべきである」と記載されている。 「大学病院の医療事故対策委員会」委員長の有賀徹氏(昭和大学名誉教授、独立行政法人労働者健康安全機構理事長)は、「大学病院は今までも真摯に事例の検討を行ってきた」とし、院内調査はこれまで通り行うとした上で、裁判が想定される場合は、「医療安全の確保という制度の目的」から外れるとして、日本医療安全調査機構による医療事故調査制度に則った事故調査は行うべきでないと述べた。 「係争の具として利用されることが明らかな場合」とは、実際に提訴された場合だけでなく、「患者との信頼関係が崩れて、何らかの形で申し入れが来ている状況はこれから裁判だなと...
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