「“事故調”、一粒で二度おいしい」と指摘
レポート
2016年3月20日 (日)
橋本佳子(m3.com編集長)
医師・弁護士の田邉昇氏 筑波大学附属病院などが主催した「医療法に基づく医療事故調査制度に関する意見交換会―施行開始から半年を経過して―」が3月19日、同病院で開催された。医師・弁護士の田邉昇氏は、医療安全への現場の医師らの意識が高まるとともに、報告事例については第三者機関である医療事故調査・支援センターが分析・再発防止策の検討を行うため、「医療事故調査制度は、一粒で二度おいしい制度」とユニークな形容で説明した。 田邉氏は、「医療事故を報告したら、医療事故調査・支援センターが分析・再発防止策の検討を行ってくれる。報告しなくとも、医師が、侵襲的行為は厳選して行い、例えば出血のリスクがあれば十分な輸血の準備をするなど、さまざまな事態を予期するため、対応が後手に回らないようになる。さらに、死亡という最悪シナリオも含めた説明を行うため、患者に覚悟が生まれる」と述べ、「医療事故報告数が少ない」との指摘がある中、報告数が問題なのではなく、現状でも制度の意義はあるとし、将来的の在るべき姿として「なくそう医療事故、なくそう医療事故調査・支援センター」を掲げた。 医療事故調査制度は、2015年10月からス...
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