1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 産科補償7年「原因分析良かった」7割

産科補償7年「原因分析良かった」7割

2016年3月16日 (水)  軸丸靖子(m3.com編集部)

日本産婦人科医会は3月9日、定例記者懇談会で、2009年の創設から7年が経過した産科医療補償制度の実績とその社会的影響に関する考察を発表した。制度運営委員会委員長代理の岡井崇氏(愛育病院院長)らの報告で、創設当初は「かえって訴訟が増える」と危惧された原因分析報告の仕組みは、現状で患者・分娩機関の双方から高い評価を得ており、産婦人科にかかる訴訟数の減少にも寄与していると言えたという。 制度が訴訟の減少に影響 産科医療補償制度は、分娩に関連して発症した脳性麻痺で、かつ分娩週数など一定の要件を満たす児に計3000万円を補償する制度だ。日本初の無過失補償制度として設計されており、運営は日本医療機能評価機構が担っている。これまで7年間に1995件が審査され、1551件の補償が決定された。 制度で補償と“車の両輪”に位置付けられたのが、児が脳性麻痺となった原因の分析と報告、そして再発防止に向けた取り組みだ。中でも原因分析報告については、全ての医療記録の提出を求める上、関わった医療機関と児の保護者に報告書を送付するとあって、産科医療関係者から「報告書を元に起こされる訴訟がかえって増えるのではないか」...