ハーバード大学に2年間留学◆Vol.10

――足利時代、臨床に研究に、フルに活躍していた。 足利日赤に赴任する際に、買ったのが、2台のニコンの一眼レフカメラ。なぜ2台か。内視鏡は今のようにデータ化されておらず、小さなフィルムに記録される。1台は、これをスライド化する際に使っていたのです。もう1台は、組織切除標本やレントゲンフィルムを撮るためです。足利時代の土曜日の午後は、大抵、その作業に費やしていました。それが後で役に立った。アメリカから帰ってきて、杏林大学の講師になり、学生に講義をする際、足利時代のスライドを使ったのです。当時は、杏林に行くことは想定していませんでしたが、自分の臨床の記録は全て保存しておきたいという思いでした。ニコンのカメラは、アメリカ留学の際にも持っていき、結構使い、帰国の際にサンディエゴにいた知り合いに1台あげたら、「ナイコン」「ナイコン」と言って、すごく喜んでいた（笑）。 その頃は、医師として7、8年目であり、働き盛り。臨床面では、症例数が多く、本当にいろいろな手術を経験しました。月曜日から金曜日まではフルに仕事をして、土曜日の午前中の仕事が終わり、子どもたちを連れて横浜に帰ろうとすると内科から電話があ...